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国会と内閣の現実

歴代の内閣に各省庁を管理する能力はない。そして、政治家や政党は、“大臣ポスト”というお飾りながら華々しい座を射止めることに傾斜している。念願の椅子を手に入れ、記者会見で喜びをあらわにする大臣は、役人の用意したメモがなければ国会でちゃんとした答弁さえできない。

テレビで報道される内閣は、大きな権威をもっているようにみえるだけであって、実際には、事務次官会議までに体勢が決まっている。ここを通過すれば、あとはベルトコンベア式に閣議を通過し、それとともに、役所がまとめた案件が“内閣提出法律案”として国会に提出されるのである。国会では数の論理で決まるので、新聞やテレビに叩かれない程度の議論しかなされていない。

残念ではあるが、現状での国会は、民主的に決まったようにみせるためのシステムに過ぎないのである。

ちなみに国会議決の必要ない政令以下の法規なら、密室で行われる閣議で何の議論もなしに施行が決定されている。

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