平成13年(ワ)第15800号　損害賠償請求事件
原告　野村一也
被告　今井亮一外2名

準備書面（９）

平成15年６月１３日

東京地方裁判所民事第18部ろB係御中

原告　野　村　一　也

被告今井作成の乙第５０〜６２号証に関して，原告は以下の通り弁論する。なお，この準備書面（９）は，CD８にHTML形式としても収録する。

第一　これまでの原告の主張

第二　原告および被告らの発言における違法性阻却要因について

　知名度を後ろ盾にした被告今井の原告批判は，匿名の第三者らによる原告に対する中傷発言を惹起させた。 そして，原告の投稿には,これら被告今井が惹起させた匿名の第三者に対する対抗言論が数多く含まれており， 単に原告の発言数をカウントすることによって，被告らの違法性阻却の要因とはなるものではない。
　また，本件訴訟において，当事者発言だけを抽出し，これら各発言の正当性を審理するにあたっては，その発言が事件当事者に向けられたものなのか否かを慎重に見極める必要があるといえる。
　被告今井が作成した乙５０〜６２には，被告今井発言に呼応した原告発言であっても，元となる被告今井発言がない箇所が存在する。
　その一方，原告が匿名の第三者に対して為した対抗言論は網羅されており，公正さを欠いているといわざるを得ない。

第三　被告今井作成の乙第５０〜６２号証に関して

■1999年6月1日〜7月6日
　この期間の発言は，同年5月30日に原告が「大谷政則さんへ」というタイトルでの発言に示しているように，6月1日以前に多くのやり取りが存在する。したがって，討論が収束する段階での原告発言だけを取り上げるべきではない。
　原告が甲別紙１被告ら各発言の名誉毀損部分一覧表32で指摘した通り，被告今井は再三これを原告批判の材料とした。この被告今井の行為の正当性を審理するには，本来，原告と匿名の第三者らとのやり取りを吟味する必要がある。被告今井は，1999年2月16日〜同年5月31日の発言記録を乙第３号証として提出していながら，これら原告と匿名の第三者らとのやり取りがすっぽりと抜けている。このことは極めて不自然であり，被告今井が意図的に提出を拒んでいるといわざるを得ない。
　 甲別紙１被告ら各発言の名誉毀損部分一覧表32を審理するためには，討論の全容を明らかにすべきである。それゆえ，文書提出命令の申立て書４にて申立てのとおり，ログを管理していた被告小谷への提出命令を再度求める。

■黒木BBS　2000年4月16日，18日
　原告の発言No.729は，被告今井発言No.727に対して行われたものである。したがって，被告らは裁定でもNo,727を提出すべきである。しかしながら，本件訴訟においても，準備書面２第２でも指摘したように，被告らのログの提出の仕方，特に黒木BBSの記録の提出の仕方にははなはだ疑問の残る部分がある。したがって，文書提出命令の申立て書５にて申立てのとおり，被告今井への提出命令を求める。

■黒木BBS　2000年7月26日〜8月28日
　乙第５４号証には「２つのツリー表示部分をプリントアウトして添付してあります。」とされているが，添付されていない。各発言の前後関係を明確にするために，ツリー構造の添付を求めるとともに，各発言の発言番号が分かるようにすることを求める。なお，乙第５４号証は原告発言（7/26）から始まっているが，この発言は被告今井発言No.93（タイトル：裏ガネの構造：組織と個人）に対して為されたものである。したがって，文書提出命令の申立て書５にて申立てのとおり，被告今井への提出命令を求める。

■BBS別館（ツリー式）について
　ツリー式の掲示板は，時系列にかかわらず，元発言にコメントを付与することができる仕組みとなっている。 それゆえ，これを単に時系列に並べることは，各発言の前後関係を難解にしてしまうおそれがある。
　もし一覧として紙に印刷するのなら，ツリー構造を示すとともに，ツリー階層に準じた順序で供覧させるべきである。 印刷例として，甲３６−６ を示す。

以　上