Home

踊る内部捜査線

こちら神奈川県警足柄峠KOBAN
この会話はフィクションです。
古いものから読む
2004年10月17日
長 官「いや〜イチロー君はすごいねェ」
ムロイ「そうですね。大リーグ記録ですからね。でも巷では
    3年前に王のホームラン記録をもう一歩で破ろうとした近鉄ローズを
    全打席敬遠したことへの批判が再浮上していますね」
長 官「ニッポンにはニッポンのやり方があるんだよ」
ムロイ「でもスポーツマンシップに欠けてますよ」
長 官「ずいぶんカドのあるいいかたじゃないか。
    球団を取り巻く環境が違うんだから仕方ないんだろ」
ムロイ「ところでライブドアと楽天のプロ野球加盟申請はどうなるんでしょうね」
長 官「申請は社団法人日本野球機構次第だ」
ムロイ「おエラいさんは、ライブドアを入れたくないみたいですしね・・・
    ところで、わかりやすい審査基準はないんですかね」
長 官「大儀は、明快でわかりやすく、
    システムは、複雑でわかりにくくするんだ。
    これは官僚が業界を牛耳るための常識だ」
ムロイ「・・・」

2004年7月6日
防衛庁事務次官「よっ!しばらく」
 警察庁長官 「いらっしゃい。それからイラク派兵ごくろうさん」
防衛庁事務次官「派兵じゃないぞ、復興支援だ」
 警察庁長官 「そうだったな」
防衛庁事務次官「ところで、不正経理後の証拠隠滅はマズかったな」
 警察庁長官 「あれは紛失だ・・・」
防衛庁事務次官「だれがみても証拠隠滅だぞ」
 警察庁長官 「お前んとこだって、調達本部が証拠隠滅したろ?」
防衛庁事務次官「大昔のことを持ち出すなよ。あの件はもう風化した」
 警察庁長官 「オレんとこだって、もう少しの我慢だ」
防衛庁事務次官「そうだな。人の噂も75日だ」
 警察庁長官 「もっと早く噂が消える方法を知ってるか」
防衛庁事務次官「いいや。何だそれ?」
 警察庁長官 「カルガモの親子や迷子のアザラシさ」
防衛庁事務次官「はっ?」
 警察庁長官 「もともと情緒的なニッポン人は、
        “カワイイ”という感情で重いニュースを忘れちゃうのさ」

2004年6月3日
国交省事務次官「うちの道路公団は民営化が可決したぞ」
 警察庁長官 「高速道路での商売の独占プラス直営権の獲得だな」
国交省事務次官「お前んとこもスゴイじゃないか」
 警察庁長官 「うちも直営権獲得だ」
国交省事務次官「行政罰と刑事罰のダブル収入なんだろ?やったな」
 警察庁長官 「こんなにすんなりいくなんて、年金問題さまさまだ」
国交省事務次官「まったくだ。報道は年金ばっかだもんな」
 警察庁長官 「厚生労働省にも少し天下りポストを分けてやるか」
国交省事務次官「そうだな。考えとくよ」 

2004年5月7日
  長  官  「いよいよ名誉挽回のチャンス到来だな」
神奈川県警本部長「分かってます。三菱の件ですね」
  長  官  「虚偽報告の社会悪を徹底的に追求するんだ」
神奈川県警本部長「分かりました」
  長  官  「虚偽を追求する正義の神奈川県警を印象付けるんだゾ」
神奈川県警本部長「分かってますよ」
  長  官  「間違っても、
        “虚偽を重ねた神奈川県警に虚偽を追求する資格があるのか?”
         なんてイメージを視聴者にあたえるんじゃないぞ」
神奈川県警本部長「だから、分かってますったら・・・」 

2003年8月10日
国交省事務次官「ほれ、ETC普及キャンペーン第2段だ」
 警察庁長官 「今度は販売奨励金でもバラまいたのか?どっちにしろバレバレだ。
        賢いドライバーは、ETCの普及率があがるまで
        補助やキャンペーン割引が続くことを知ってるぞ」
国交省事務次官「でもな、ETCでゲートを通過するのは快感なんだ」
 警察庁長官 「最初だけだ」
国交省事務次官「ばかいえ!
        イヤイヤ払ってたのが快感に変わるんだぞ。
        我々にとってこんな都合のいいシステムはないんだ」
 警察庁長官 「お前らの都合か…」
国交省事務次官「警察庁は交通情報気象庁には気象情報、
        そして我々はETCを足がかりにクレジット情報を集約し、
        クレジットカード業界を掌握するんだ」
 警察庁長官 「ん?気象庁は国交省の外局だろ」
国交省事務次官「もともと旧運輸省の外局だ。
        我々旧建設省のなわばりに情報を扱う部局はないんだ」
 警察庁長官 「どっちにしろカード業界を抱きこむからシステムが複雑になったんだろ?
        欲張り過ぎたんだよ」
国交省事務次官「オレたちゃ、中央の予算だけでやり繰りしてるんだ。
        都道府県のカネを使うお前らにつべこべ言われたかないよ」
 警察庁長官 「時代は変わるんだよ。土建国家はもう終わりで、次は警察国家の時代だ」
国交省事務次官「いい気になってると飼い犬に手をかまれるゾ」
 警察庁長官 「うちでは内部告発はできない。絶対にな」
国交省事務次官「どうやってるんだ?」
 警察庁長官 「明治時代からの伝統さ」 

2003年6月28日
国交省事務次官「悩みは解決したぞ」
 警察庁長官 「ETCの件か?」 
国交省事務次官「そう、先着10万人限定の売り文句にETC希望者が殺到したのさ」 
 警察庁長官 「ニュースで見たよ」 
国交省事務次官「購買意欲をアオるには、期間限定キャンペーンが一番だな」
  警察庁長官 「どうせ延長するんだろ」 
国交省事務次官「もう延長した 
 警察庁長官 「まるでテレビショッピング並みだな。期間限定キャンペーンなんて…」 
国交省事務次官「なんとでも言え。装着率が3割を超えればオレたちの勝ちなんだ」
 警察庁長官 「勝ちって?」 
国交省事務次官「ある程度の装着率になれば、立場が逆転するんだよ」 
 警察庁長官 「逆転?」 
国交省事務次官「いまは非ETC車がETC車の悪口をたたいてるのが逆転して、
        ETC車が非ETC車をジャマ者扱いするようになるんだ」 
 警察庁長官 「な〜るほど」 
国交省事務次官「逆転後にすべてのゲートをETC化するのはかんたんだ。
        そうなったらな、料金批判なんかなくなるんだ」
  警察庁長官 「なんで?」
国交省事務次官「ドライバーに払わせるから批判されるんだ。
        意識させずに抜くんだ。給与天引きと同じようにな」 
 警察庁長官 「それじゃあ、スピード違反の反則金もETCで抜くようにしようか」 
国交省事務次官「ようだな。すべては円滑で安全な交通のためだ」
 警察庁長官 「そうだ。公益のためだ」 

2003年3月13日
国交省事務次官「はぁ〜あ」
 警察庁長官 「なにかお悩みでも?」
国交省事務次官「批判をどうかわしてETCを普及させたらいいんだろう…」
 警察庁長官 「なんだそんな悩みか。
        うちのVICSはだーれも批判しないぞ」
国交省事務次官「あんたらはエンドユーザーから直接とらないからそんなことがいえるんだ」
 警察庁長官 「違うな。やり方の問題だよ。
         先に料金批判を抑止する手立てを打たないからダメなんだ」
国交省事務次官「具体的に言ってくれ」
 警察庁長官 「例えば駐車違反で儲けようとするだろ
        そしたらまずクルマを毛嫌いする人たちを刺激するんだ」
国交省事務次官「どうやって?」
 警察庁長官 「簡単だよ。抜本的な迷惑駐車対策を何もしないんだ」
国交省事務次官「何もしないって、取締りをしてるだろ?」
 警察庁長官 「取締りなんかイタチごっこだよ」
国交省事務次官「それで?」
 警察庁長官 「対策がなきゃ迷惑駐車も増えてクルマを毛嫌いする人が怒り出すだろ」
国交省事務次官「ふむふむ」
 警察庁長官 「そして“警察はもっと厳しくやれ!”ってなるんだ。出番はそこだよ」
国交省事務次官「なーるほど」
 警察庁長官 「うちの外郭団体はもっと増えるぞ。
        だって交通安全を批判するやつはどこにもいないんだ」
国交省事務次官「ウチにも少し天下りのポストを分けてくれないか?」

2002年11月24日
ムロイ「戸部署の容疑者銃殺疑惑の判決がでましたね。
    引き金を引いたのは警察官だそうです」

長 官「遺憾だ」
ムロイ「裁判官は、警察の調書は荒唐無稽だ、といっています」
長 官「遺憾だ」
ムロイ「殺人の可能性もある重大事件をちゃんと捜査しないで、
    捜査のいらない交通違反ばかり取締るなんて…」

長 官「遺憾だ」
ムロイ「また神奈川県警の組織ぐるみの不祥事隠しって批判されますよ」
長 官「マスコミ対策なら任せろ」
ムロイ「…」

2002年6月16日

ムロイ 「福井県の交通安全協会で2億6000万円の着服ですって!」

長 官 「県警捜査後のニュースをよく読め。容疑は600万だ」
ムロイ 「でも協会の内部調査で使途使途不明金は2億6000万円で、
     容疑者は着服を認めているんですよ。
     それなのに、なんで県警の捜査後の容疑は600万円だけになるんですか?」

長 官 「600万は突破口でその後に全容解明を目指す方針だ、と書いてあるだろ?」
ムロイ 「しかし長官。不明金はこの課長が1人で管理していたんですよ」
長 官 「横領の額が大きいと、それだけ世論が敏感に反応するんだ。
      時が経てばちゃんと発表するけど今はダメなんだ」
ムロイ 「でも2億6000万円の疑惑に対して、600万では…」
長 官 「報道はワールドカップ一色だ。だーれも気付きゃしない」
ムロイ 「…」

2002年3月15日

ムロイ 「ネットオークションに古物営業法の網をかけることに対して、
     業界を挙げての反発が出てますね」

長 官 「あっせんでカネを儲けるのは、いかんことなんだ」
ムロイ 「でも、古物営業法は窃盗その他の犯罪の防止および被害の迅速な
     回復を目的としており、なんてことで規制を正当化すると、
     “じゃあ、パチスロ店の隣で換金を行う古物商はいったい何なんだ?”
     って批判されるかもしれませんよ」

長 官 「あれはあれ、これはこれだ」
ムロイ 「それにパチンコ代欲しさの犯罪も少なくありませんが…」
長 官 「だからパチンコは在日外国人の大事な業種なんだ」
ムロイ 「またそれですか」

2002年3月3日

ムロイ 「長官、この前のストーカー特番見ました?」

長 官 「あの番組の“華”は探偵だ」
ムロイ 「でもストーカー問題を警察が扱うのは難しいですから、
     探偵の需要が伸びるのは当然なのかもしれませんね」
長 官 「そうだ。警察の民事不介入がマーケットを広げるんだ」
ムロイ 「マーケットですか?」
長 官 「いいか、素行調査のニーズはこれからも増えつづけるはずだ。
     だから探偵業はこれからも伸びるし、業者も増えるんだ」
ムロイ 「探偵は許認可がありませんからね」
長 官 「大阪で探偵をやるには府知事の認定がいるんだぞ」
ムロイ 「えっ、そうなんですか?」
長 官 「いずれ知事なんかの認定じゃなくて、
     公安委員会の認可制にするんだ。もちろん全国だ」
ムロイ 「規制緩和の流れに逆行しますが…」
長 官 「文部科学省の幼稚園と厚生労働省の保育園を考えろ」
ムロイ 「はっ?」
長 官 「無認可の託児所には問題が多いだろ」
ムロイ 「よくやっているところもあるようですが…」
長 官 「バカ言え!我々がちゃんと審査しないと悪質な業者がでるんだ」
ムロイ 「そうでしょうか…」
長 官 「それから探偵業の認可だけじゃなくて、探偵職にも国家資格を定める。
     さらに探偵学校も認可制とするんだ」
ムロイ 「規制緩和…」
長 官 「もちろん探偵業協会と探偵研修推進協会と全国探偵業連合会をつくるんだ。
     とうぜん、各都道府県に地域探偵業協会もつくる。
    公益のためには公益法人が必要なんだ」
ムロイ 「…」

2001年11月6日
ムロイ 「東京都のパチンコ税が来ましたね」
長 官 「パチンコ税を通したら、お台場カジノを許可しない」
ムロイ 「それで石原都知事は口を閉ざしてたんですね」
長 官 「お台場カジノの許可を出してやる代わりにパチンコ税を抑えさせるんだ。
     それにパチスロホールの経営はそんなに儲かってないんだぞ」
ムロイ 「じゃあ儲かってるパチスロメーカーに課税すればいいじゃないですか?」
長 官 「アルゼなら今期は減益になるはずだ」
ムロイ 「なんで知ってるんですか?」
長 官 「・・・」

2001年 9月29日
長 官 「まずいな〜」
ムロイ 「どうしたんですか?」
長 官 「ほらこの記事だよ」
ムロイ 「大津署員がレイプした女性の写真を撮影した事件ですね」
長 官 「新宿の火災に注目が集まったから、明石の将棋倒し事故が風化して、
     ようやく警察批判が治まったと思ってたのに・・・」
ムロイ 「新宿の火災も賭け麻雀店に恨みを持った人間の放火だ、という見方が有力ですね」
長 官 「何がいいたいんだね。キミは」
ムロイ 「犯人が捕まると、
      賭博業者に対する警察のタカリの構造が批判されることになるかもしれませんね」
長 官 「まだ、そうと決まったわけじゃないだろ!」
ムロイ 「じゃあ、ちゃんと捜査してるんですか?新宿の火災」
長 官 「・・・」

2000年8月13日

ムロイ 「犯罪情勢の悪化が報道されてますね」
長 官 「これで警察の必要性が再認識されるんだ」
ムロイ 「警察の捜査力に問題との意見もありますが…」
長 官 「ニュースをちゃんと読め!
      "犯罪の発生に捜査が追いつかない傾向が顕著になった" と書いてあるだろ?」
ムロイ 「でも花火の件も気掛かりですが…」
長 官 「悪いけど、これから秋の全国交通安全週間の打ち合わせだ」
ムロイ 「どこで飲むんですか?」
長 官 「打ち合わせだよ。打ち合わせ」
ムロイ 「・・・


2000年5月21日

長 官 「ムロイ君、いいこと考えたぞ」
ムロイ 「なんですか」
長 官 「大衆は閉塞感で満たされている、よな?」
ムロイ 「その閉塞感をうち破ることへの期待が、小泉さんを指示してますね」
長 官 「しかしな、考えて見ろ。官僚がそんなに簡単に改革を許すと思うか?」
ムロイ 「う〜ん、多くの人々が期待するような劇的な変革は難しいかもしれませんね」
長 官 「そうだろ。小泉がダメだった時には大衆が我慢してきたものが爆発して、
      暴動さえ起こり兼ねんのだよ」
ムロイ 「支持率8割の落とし穴ですね」
長 官 「そこでだ。我が“正義の警察一家”が大衆に夢を与える事業をやるんだ」
ムロイ 「何をやるんですか?」
長 官 「パカパパッパパ〜ン 交通死者数予想トト!!!」
ムロイ 「交通死者数の予想クジですか?
     似たようなことを兵庫県警がやろうとしてコテンパンな目にあってますよ」

長 官 「文部科学省のサッカークジはいいのに、警察はダメなのか?」
ムロイ 「そうじゃなくて…」
長 官 「じゃ"運転免許番号ロット"はどうかな?」
ムロイ 「ダメですっっっ!」


2000年5月10日

ムロイ 「小泉さん
     痛みを恐れず、既得権益にたじろがず、過去の経験にとらわれずに改革を断行する
     っていってますけど、警察も改革されるんですかね?」

長 官 「警察は大丈夫だ」
ムロイ 「でも自民党の保守派があれだけ反発ていた郵政改革を明言する小泉さんなら
      やるかもしれませんね」

長 官 「構造改革の議論に警察が入ってるか? 国民の興味は景気回復だ。
      それに特定郵便局長会の票を犠牲にした上に警察票まで反故にすることないだろう。
      その証拠に 国家公安委員長は金丸先生の息がかかった保守派の村井だ。
      それから小泉だって叩けばホコリもでる。
      完全にクリーンな政治家なんか存在しないんだよ」
ムロイ 「そうですか…」
長 官 「しかし、“公益法人の抜本的整理合理化”は困るな」
ムロイ 「どうしてですか?」
長 官 「道路交通情報センターにはオレが再就職したいんだ」
ムロイ 「・・・」


2000年12月18日

長 官 「う〜ん」
ムロイ 「長官なんか気になることでもあるんですか」
長 官 「横浜市で場外馬券売り場に課税する条例が成立したんだ」
ムロイ 「じゃあパチンコ店にも飛び火するんでしょうね」
長 官 「そうなんだ」
ムロイ 「パチンコ店は公営ギャンブルじゃないんだし、
     社会貢献の点で色々と問題がありますから仕方ないんじゃないです
か?」
長 官 「そうなんだけど、パチンコは警察(公安委員会)の認可事業だ。
      圧迫されると色々とやりにくくなるんだよ」
ムロイ 「(警察出身の)亀井先生の話しですか?」
長 官 「亀井先生だけじゃない。パチンコと警察には深〜い関係があるんだ」
ムロイ 「知っています。でも…」
長 官 「業界をここまで育てて、ようやく換金業務も掌握して、
      これからクリーンなイメージ作りをしようとしているときにゴタゴタを起こされたくないんだ」
ムロイ 「育てたんですか?」
長 官 「ウッ・・それは言葉のアヤだ。
      いずれにしろ賭博に対する根強いの大衆のニーズに答えるために
      パチン コは欠かことのできない大事な業界なんだ」
ムロイ 「そんなにたいそうなモンじゃないでしょ」
長 官 「それにパチンコは在日外国人の大事な…」
ムロイ 「もう結構です」


2000年11月

ムロイ 西武の松坂の罰金は19万5千円ですって」
長 官 「松坂は反省している。十分なペナルティだ」
ムロイ 「免停期間中の運転は免取り消しになりますね?」
長 官 「それは報道のされ方次第だ」
ムロイ 「どういう意味ですか?」
長 官 「大衆は行政処分と刑事処分の区別をつけられないんだ。だから
     刑事処分が報道されれば、松坂は相応の罰を受けたと信じるんだ」
ムロイ 「そうですか なんで免取りじゃないんだ?って不満を言い出す者がいるかも」
長 官 「大丈夫だ。ジャーナリストに行政処分のシステムを批判できるヤツはいない」
ムロイ 「松坂の免許を取り上げたくない理由でもあるんですか?」
長 官 「オレが決めたんじゃない。東京都公安委員会が決めたんだ」
ムロイ 「・・・


2000年8月22日

ムロイ 「去年の自殺者は3万3千人ですって」
長 官 「今年も自殺者が減る要素は何もない」
ムロイ 「ところで一昨年の自殺者数はたしか去年の3月ころに発表したのに、
     どうして今年は8月になったんですか?」

長 官 「選挙前に出したら
     中小企業軽視の行政に批判が高まって自民党が困るだろ?」
ムロイ 「選挙対策に荷担したんですか?」
長 官 「どうせ誰も気付きゃしない」
ムロイ 「でも万が一、なんで今年は遅いんだって批判を浴びたらどうするんですか?」
長 官 「そうだな、サイバーテロ対策にデータを管理するサーバーのメンテナンスをしいた、
     なんかがタイムリーでいいだろう」
ムロイ 「・・・


2000年7月19日
沖縄サミット警備特別詰所にて
長 官 「サミット警備ご苦労」
ムロイ 「ありがとうございます。
     ところで今年の警察職員採用にはスゴい数の応募が来てるみたいですね」

長 官 「警察官は昔から人気の職業だ。多少の不祥事は問題ない」
ムロイ 「安定志向が公務員としての警察志願の増加に繋がったのでは?」
長 官 「それもあるが、今年は広告にカネをかけさせたんだ。
     警視庁のポスターなんか最高だろ?」
ムロイ 「アレじゃ “お前ら白バイ乗りたくねえか?”って誘ってるみたいですね
     まるでB級アクション映画のポスターみたいですよ」

長 官 「欲望を刺激するのが手っ取り早いんだ
     けん銃を構えた警官を広告に出せれば、応募はもっと増えるんだがな」
ムロイ 「・・・

2000年7月14日
沖縄サミット警備打ち合わせ

S  P : What's that illumination ?
ムロイ : It's a PACHISLO Amuzement.
S  P : I know , Japanese CASINO!
ムロイ : …uh…
S  P : I see, so many people in Okinawa.
ムロイ : Not only Okinawa,Every town.
S  P : Every town have PACHISLO-CASINO ?
ムロイ : Yes, every town.
S  P : ・・・ Incredible・・・


2000年6月28日
ムロイ 「建設省のETCは本腰がはいりましたね」
長 官 「ウチ(警察)のVICSはもっとすごいぞ」
ムロイ 「何がすごいんですか?」
長 官 「VICSのための光ビーコンは1999年5月末現在で約2万基(約8900箇所)だ。
     それを2003年までにあと3万基設置する」
ムロイ 「1基いくらするんですか?」
長 官 「約80万円だ。安いもんだろ」
ムロイ 「80万×3万箇所ということは240億円ですか。警察庁が負担するんですか?」
長 官 「都道府県に決まっているだろ!」
ムロイ 「都道府県は了承しているんですか?」
長 官 「国家プロジェクトに地方が協力するのは当たり前だ!」
ムロイ 「・・・

2000年6月18日
ムロイ 「長官、Nシステムは警察庁の予算で設置したのですか?」
長 官 「都道府県の予算に決まってるだろ。ただあれはプライバシーの侵害などと言われて
     問題が大きいから、都道府県の予算だということを明確にするわけにはいかないんだ」
ムロイ 「都道府県の情報公開条例で費用を開示させられるのが怖いんんですか?」
長 官 「違う。いいか、都道府県の予算を使ったことを明らかにすると、都道府県の責任
     が明確になるだろ。そうなると都道府県議会で取り上げられることになって
     面倒が起きるんだ」
ムロイ 「どうするおつもりですか?」
長 官 「Nシステム批判は完全に下火だ。気にすることはない。それにな、これからはITSの時代だ。
     ITSに賛同した民間企業も道路へのインフラ整備を後押ししてくれるようになった。
     NシステムはITS関連インフラの小さなひとつとして埋もれてい くんだ」
ムロイ 「ITを名目にすればいくらでもカネを使える、つまり以前の土木中心の公共事業が
     【情報土木】になった、なんて批判も出始めたようですが…」

長 官 「渋滞の損失は12兆円と試算された、交通事故の損失は4兆円だ。
     ITSはこれら国民の損失を緩和するための大事な国家プロジェクトだ」
ムロイ 「大義名文もいいですが、国際的に見てITSに警察が深く関与しているのは日本
     だけのようですが…」

長 官 「違反は違反、日本は日本だ」
ムロイ 「・・・  

2000年6月05日
ムロイ 「ロードプライシングどうなるんでしょうね?」
長 官 「石原(都知事)は、反クルマ社会層をガッチリ捉えた。
     車載器をどうするかが問題だな」
ムロイ 「建設省が本格導入を始めたETC(自動料金収受システム)は超音波式で
     警察の光ビーコン式とは異なるんでしょ?」

長 官 「ETCのインフラは始まったばかりだ。しかし警察のインフラは全国を網羅している
     だからETCとは別の決済システムがあってもいいだろ?」
ムロイ 「タテ割り行政と批判されますよ」
長 官 「多くのドライバーは先進のエレクトロニクスを羨望することはあっても、
     批判することはない。それにITS関連のインフラ投資を批判するものもいない」
ムロイ 「しかし導入するには問題が多いですね」
長 官 「決定的な解決方法があるんだ。誰にも言うなよ」
ムロイ 「はい」
長 官 「欧州タイプのナンバープレートに埋め込む予定のICチップに決済システムを持たせるんだ。
     そして、クルマ関係の諸税とロードプライシングの料金を決済させる。
     それから反則金やこんど法制化する行政制裁金も自動的にそれで決済させる。
     ドライバーは“横長プレートカッコいいだろと自慢することはあっても批判することはない。
     すでに実施に向けて内々に協議している。
     そうなれば、全国に張り巡らされた警察の光ビーコンで、
     取締りも決済も自動的にできるようになるんだ」
ムロイ 「まるでエネミーオブアメリカの自動車版ですね」
長 官 「交通安全にはカネがかかるんだよ」

2000年5月29日
ムロイ 「消費税、やっぱり上げるんですね?」
長 官 「政府の努力が限界に達した場合、と政府税制調査会は言ってるだろ」
ムロイ 「でも10年以内に10%くらいになるんでしょ?」
長 官 「税収の落ち込みをカバーするには消費税しかないだろうな」
ムロイ 「民間はリストラや老後の不安を抱えたうえに消費税も上がるんじゃ
     夢も希望もありませんね」

長 官 「だから宝くじは1等3億円になったんだ」
ムロイ 「・・・

2000年5月03日

ムロイ 「中学生の五千万円恐喝、高校生の主婦殺人と衝撃的な事件が続きますね」
長 官 「学校と親が悪いんだ。警察は事件の背景に関係はない」
ムロイ 「警察が犯罪の低年齢化を指摘している以上、なにかしないといけないのでは」
長 官 「それは文部省が決めることだ」
ムロイ 「でも文部省は学習塾がなければ教育が成り立たないことをようやく認めたくらい
     で、 根本的な教育問題解決の方策は持たないのだから、今後もこういった事件
     は増加するのではないでしょうか?」

長 官 「だからそれは警察の責任ではない」
ムロイ 「それにしても学校でのイジメや学級崩壊の問題は深刻ですね」
長 官 「うちは幼稚園から名門私立に行かせるからイジメの心配はない」
ムロイ 「・・・


2000年4月19日
ムロイ 「警察批判はひと山を超えたようですね」
長 官 「春の警察特番ラッシュが警察の存在意義を協力に演出したからな」
ムロイ 「警察特番の効果ですか?」
長 官 「深夜のテレビショッピングと同じだ。
     うさん臭いのは分かっていても欲しくなるだろ?」
ムロイ 「戦前の大本営と同じだという批判もありますが…」
長 官 「大衆は水戸黄門が最後に印籠を出して悪を成敗するお決まりの
     ストーリーが好きなんだ」
ムロイ 「・・・

2000年5月頃
ムロイ 「NEWS23で筑紫哲哉がもみ消し事件は制度を見直すいい機会だと言ってましたね」
長 官 「News23と警察24時の視聴率はどちらが高いと思っているんだ?」
ムロイ 「はっ…?」
長 官 「ニュースを見るのは仕事に全エネルギーの90%を費やす疲れたサラリーマンだ。
      世論を作るのはゴールデンタイムを見るその他大勢の大衆なんだよ」
ムロイ 「あんまり国民をバカにしていると痛い目に遭いますよ…」
長 官 「だから今回はボリュームアップした。見ろ!
      ・大捜査!警察24時最新総力スペシャル!:3/21TBS
      ・テレビ公開大捜査3/22TBS
      ・事件の最前線直撃24時3/23テレビ朝日
      ・追跡まさかの大事件!意外な展開スペシャル3/24フジテレビ
      ・実録危ない日本…激録スリ、万引き100連発!
       日本列島警察犯罪捜査密着60日!!3/25テレビ東京
      ・スーパーテレビ特別版 今明らかになる衝撃犯罪の真実!
       その時彼女たちは…3/27日本テレビ
      ・今夜あなたは目撃者!全国警察犯罪捜査網3/29日本テレビ
     “そのとき彼女たちは…”なんか興味をあおる副題だろ?」
ムロイ 「市民の不安をアオるより、秩序維持のための努力をしたらどうですか?」
長 官 「オレは警察の危機を立て直した名長官として名が残るだろうな」
ムロイ 「聞く耳なさそうだな…」

2000年3月頃
ムロイ 「短い間でしたがお世話になりました」
長 官 「ムロイくん辞めるのかね?」
ムロイ 「いえ、お辞めになるのは長官のほうですよ」
長 官 「なんでオレがやめるんだ?」
ムロイ 「新潟県警問題の責任を取る必要があるでしょ?」
長 官 「関口(前長官)は神奈川県警問題の引責自認じゃないんだ!」
ムロイ 「長官お見苦しいですよ」
長 官 「オレには沖縄サミットの大役を果たす責任があるんだ!」
ムロイ 「責任ではなく表舞台にお立ちになりたいだけでは?」
長 官 「ITSはオレじゃなければダメなんだ !!」
ムロイ 「そういえば長官は交通畑でしたね」
長 官 「そうだ、オレには道路情報環境のインフラを整備する重大な使命があるんだ」
ムロイ 「新たな公共事業ですね」
長 官 「その通り、ダムや可動堰はメじゃないぞ。ソフトバンクがトヨタの総株価を
     追い越したように、情報産業を握った警察は建設省を超えるかもしれん」
ムロイ 「なんのお話をされているんですか?」
長 官 「高速道路に代表される建設省の仕事には批判が絶えない、しかしITSはいくら
     費用を使っても批判されないんだ。なぜだか分かるか?」
ムロイ 「いいえ」
長 官 「情報産業はこれからの日本を支える基幹産業だと歓迎されている。
     しかもクルマ社会に否定的な大衆は安全のためといえば何の文句も言わない。
     さらにクルマを持つ者はカーナビを始めとしたエレクトロニクス商品やサービス
     にはカネを惜しまないんだ」
ムロイ 「そのうち批判されますよ」
長 官 「大丈夫だ!
     警察は情報公開をしなくていいから批判される材料を見せる必要がない」
ムロイ 「・・・

2000年?月頃
長 官 「ムロイくん、いいこと考えたゾ」
ムロイ 「なんですか?長官」
長 官 「道路交通情報センターをニュース番組のスポンサーにしよう」
ムロイ 「そんなことして大丈夫ですか?」
長 官 「道路公団は『ザ・スクープ』のスポンサーになったゾ」
ムロイ 「報道をコントロールするんですか?」
長 官 「建設省が道路公団でニュース番組をコントロールしているのに、
     警察が指を加えてニュースを野放しにしておく手はないだろう」
ムロイ 「市民から反感がでるのでは…」
長 官 「問題ない!大衆はテレビが無料で真実を流していると信じて疑わないんだ。
     それから道路交通情報センターにはJ‐WAVEだけでなくテレビ局の株も取得
     させよう!」
ムロイ 「公益法人が事業を本業以外に広げることには問題があるのでは?」
長 官 「資産を運用するだけだ。
     それに放送事業は道路交通情報センターと密接な事業だろ」
ムロイ 「おっしゃる通りでございます」

2000年2月頃
ムロイ 「行政制裁金はどうなるんですか?」
長 官 「沖縄サミットまで自自公が持ちこたえたら、そのころは
     (少なくとも経済指標上の)景気は回復してくる。そうしたら大衆は現状に
     満足して行政改革なんかに興味がなくなるんだ。もちろん警察批判も少なくなる。
     やるのはそのときだ」
ムロイ 「沖縄サミットなんか一般市民には興味ありませんよね?」
長 官 「一般大衆は関係ない。
     国家は沖縄サミットに向けてベクトルが一致してるんだ!」
ムロイ 「関係ないですか?」
長 官 「沖縄サミットは日本警察の優秀さをアピールする舞台だ。関係あるとすれば、
     一般大衆は優秀な日本警察に守られている安心感で満たされることだな」
ムロイ 「不祥事は止められますか?」
長 官 「第一線が過ちを犯さないように管理を厳重に強化した」
ムロイ 「現場の警官が管理に行き詰まってかえって不祥事を起こすのでは」
長 官 「不祥事が起きたときは、酒に酔って自分を見失ったことにするように通達
     してある」
ムロイ 「・・・

2000年2月頃
ムロイ 「ネット上での警察批判は増加する一方ですね」
長 官 「そんなものどんどんつぶしてしまえ!」
ムロイ 「新聞社やテレビ局のようにはいかないんですよ」
長 官 「プロバイダーに圧力をかければいいとサイバーポリスが言ってたゾ」
ムロイ 「プロバイダーには記者クラブがないので決定力が不足します」
長 官 「そうか、じゃあ郵政省に掛け合って、ネット犯罪防止を名目にして
     プロバイダーを公安委員会の許可制にしよう」
ムロイ 「規制緩和の流れに逆行しますが…」
長 官 「公共の安全と秩序維持のためとすれば大衆は納得するんだ」

1999年10月頃

ムロイ 「フラッシュも突っ込んできましたね。長官」
長 官 「たかがタブロイド紙だ。全然ヘーキ」
ムロイ 「免職警官の再就職斡旋に、予想より市民の反感が起きてます…」
長 官 「気にするな。年末に社会問題は盛り上がりっこない」
ムロイ 「しかし…」
長 官 「それに、どうせマスコミは記者クラブなしに記事を書けんのだよ。」
ムロイ 「やはり何らかの対応をした方が良いのでは…」
長 官 「そんなことより沖縄サミットの警察予算拡大の方が大事なんだ」
ムロイ 「・・・  


1999年10月頃
長 官 「ムロイくん、先週の警察特番の視聴率知ってるか?」
ムロイ 「いえ…」
長 官 「日本テレビの『今夜あなたは目撃者!緊急生中継!全国警察犯罪捜査網』と
     TBSの『凶悪犯罪秘ファイル!全国警察密着24時'99・秋の大捜査スペシャル』
     は両方18.9%でビデオリサーチの先週の項目別で並んでいちばんだ!」
ムロイ 「スゴイですね…」
長 官 「進ぬ電波少年並の視聴率だぞ!もっと喜べ」
ムロイ 「パチパチ…」
長 官 「2〜3時間枠のゴールデンタイムで広報のできる組織は警察だけなんだ」
ムロイ 「それで神奈川県警のことはチャラですか?」
長 官 「もう大丈夫だ」  

1999年10月頃
ムロイ 「ネット上で警察批判が加熱しているとサイバーポリスがいってました」
長 官 「テレビの警察特番が中和した」
ムロイ 「どういうことですか?」
長 官 「宮崎(学)のHPが平均1日2000アクセスだ。警察特番は20%の視聴率で
     少なく とも2000万人が見ている。つまり宮崎に1万日かかることを1回の放送でで
     きるんだ」
ムロイ 「1万日というと」
長 官 「27年分だ」
ムロイ 「しかし神奈川県警がHPで事件への何のコメントも出さないのはマズイんじゃな い
     ですか?」

長 官 「インターネットでどれだけ警察がたたかれようが、テレビさえ抑えれば大丈夫だ」
ムロイ 「・・・

1999年10月頃
ムロイ 「アイドルを1日署長にするのもいいですが、最近少しやり過ぎじゃないですか?」
長 官 「おまわりさんの音楽隊に人が集まるか?」
ムロイ 「しかし、わざわざミニスカートをはかせる必要があるんですか?」
長 官 「プロダクションもそれを望んでおる」
ムロイ 「だいたい有名人の1日署長に何の意味があるんですか?」
長 官 「交通安全運動は警察の一大イベントだ。ミニスカポリスを欠くわけにはいかん。
     鈴木あみちゃんのパンチラ報道で池袋の広報効果は絶大じゃった」
ムロイ 「・・・  

1999年9月頃
ムロイ 「週刊宝石と週刊フライデーやってくれますね」
長 官 「フライデーはともかく週刊宝石は一過性だから心配ない」
ムロイ 「インターネットで警察批判が飛び交っているかもしれませんね」
長 官 「もう手は打ってある」
ムロイ 「どうやったんですか?」
長 官 「検索エンジンに不祥事のデータは集積されていない」
ムロイ 「そんなことできるんですか?」
長 官 「当たり前だ。サイバーポリスが何のためにあると思っていたんだ?」

1999年9月頃
ムロイ 「長官、昨日私に女子大生恐喝は退職金払ったって言いましたが、
     懲戒免職じゃないですか」

長 官 「ワシは退職金を払ったなんかいってない!」
ムロイ 「↓に記録が残っていますが…」
長 官 「ウッ・・それは言葉のアヤだ」
ムロイ 「アヤって長官・・それはお見苦しいですよ」
長 官 「いっつもお前はうるさいな!」
ムロイ 「今回の虚偽報道の内容も事前に知っていたんでしょ?」
長 官 「報告は受けているが、記者会見の内容は神奈川県警が勝手決めたことだ」
ムロイ 「県警幹部は減給で終わりですか?」
長 官 「世論の高まりと報道の追求次第だ」
ムロイ 「風見鶏みたいですね…」
長 官 「お前は一言多い。とにかく神奈川県警への批判が警察全体に広がることは
     何としても避けなければならん」

1999年9月頃
ムロイ 「神奈川県警やってくれましたね」
長 官 「深山(現神奈川県警察本部長)もせいぜい警察大学校長までだな…」
ムロイ 「9月11日は警察相談の日ですよ…」
長 官 「テレビさえ抑えていれば問題ない。秋の交通安全運動も派手にやるぞ」
ムロイ 「批判は納まりますか?」
長 官 「虚偽発言は深山と、あとひとりふたりを一時閑職におけばいい」
ムロイ 「女子大生恐喝はどうでしょう」
長 官 「退職金を払って辞めてもらうことで終わった話だが、
     捜査する以上送検しないわけ にはいかないだろう」
ムロイ 「どうなるんでしょうか?」
長 官 「裁判が始まって1年も経てばみんな忘れてしまうから世論は問題ない。
     問題なのは報道のせいで終わった話を蒸し返されることで、ヤケを起こし
     て内部事情を暴露されるこ とだ」
ムロイ 「厚木署の集団リンチはどうですか?」
長 官 「あんなのゼンゼンへっちゃらピーだ」

1999年9月頃
長 官 「今年も交通死者は減りそうだから、そろそろ取締りを強化させていこう」
ムロイ 「ヘッ…?」
長 官 「事故が増えそうなときに取締りを強化して、おまわりさんはなにやってんだ
     言われたくないだろう?」
ムロイ 「しかし、長官…」
長 官 「交通死者が減りそうなときに取締りを強化することが、
     取締りの効果を 主張するためのセオリーだ」
ムロイ 「お言葉ですが…」
長 官 「うるさいな!お前も警察官僚らしく政治的な効果を考えろ!」

1999年8月19日
長 官 「ムロイくん、君は刑事と公安ばかり歩いているが、将来のことを考えて
     少し交通のことも勉強しておきたまえ」
ムロイ 「なぜですか?」
長 官 「君も60まで現場にいるつもりはないだろう?」
ムロイ 「ええ、まあ…」
長 官 「再就職で有利なのは交通だぞ。警備はもう飽和状態だ」
ムロイ 「交通は伸びるんですか?」
長 官 「ああ、爆発的に伸びる。ITSは国が推進しておるからな」
ムロイ 「警察が関連するのはVICSだけじゃないんですか?」
長 官 「信号機もNシステムもITSの一部みたいなものだ。」

1999年8月19日
ムロイ 「日の丸君が代のせいで戦争を意識させる報道が多いですね。
     我々には関係ないで しょうけど」

長 官 「関係ないだと?お前もエラくなりたいなら、もっと勉強し ろ!」
ムロイ 「どういう意味ですか」
長 官 「軍隊と警察は警察力の作用対象が違うだけで同じモノだ」
ムロイ 「よく分かりません」
長 官 「アメリカが世界の警察官を自認しているだろう?」
ムロイ 「それは知っています」
長 官 「正義の大義名分の下で警察力を行使する点では軍隊も警察も同じなんだ」
ムロイ 「そうなんですか…」
長 官 「戦争すると、民衆の負担と戦争に反対する世論が必ず起きるんだ。
     内政から戦争を バックアップするのが警察の重要な役割であることを、
     歴史が証明しているだろう」
ムロイ 「勉強しておきます…」

1999年8月12日
長 官 「ああ、それから標識BOXをしっかりと広報させるよう、徹底させてくれ」
ムロイ 「しかしアレは10年以上も置き去りにされてきたものですよ」
長 官 「構わん!市民の声に耳を傾けているというパフォーマンスが大事なんだ」
ムロイ 「…」
長 官 「もうひとつ公開用の取締りは、必ず支社のホームページに掲載するようにな」
ムロイ 「公開したら意味がないという市民の声もありますよ」
長 官 「おまわりさんはお仕事していますよ、というパフォーマンスが第一なんだ!」

1999年8月10日
長 官 「通信傍受法案は少し焦りすぎたかもしれんな。成立させるには今しかないんだが、
     宮崎(学)にこれほど注目が集まったのは計算外だったな」
ムロイ 「どうするんですか、長官」
長 官 「速度違反の取締り方法は検討を加えようかと思ってる。
     それから自動2輪 車の高速2人乗りと80km規制の見直しも時期を早めようかと
     思っている。
     何しろアメ リカ商務省がうるさいからな」
ムロイ 「それで収まるんでしょうか?」
長 官 「場合によっては一般道の60km規制の見直しも考えている。
     とにかく世論に逆らって批判の目がITSの計画に向けられることだけ は何として
      も避けなければならん」
ムロイ 「ITSはそんなに大事なんですか?」
長 官 「おまえにはまだ全部は言えん」
Page-Top