ニュートラル・ポジション


1999.07.01

役人バブルの時代

バブル華やかりし頃、証券会社に就職したばかりの女性が、初めてのボーナスに100万円近い金額を手にしたり、20代半ばの不動産会社営業マンが、都心のほど近くにマンションを買ったりしてしました。そして景気が良くなっても給料の上がらない公務員たちは、わが身と比べてクサっていたのかもしれません。

バブルが崩壊し、民間企業のリストラを「ザマミロ」と見る公務員は少数派かもしれないが、「公務員でよかった」とわが身の安泰を喜ぶ人は少なくないだろう。しかし、国も地方も財政は火の車だ。1998年には、財政再建団体直前の危機にある神奈川県の職員らが、ハチマキを巻いた座り込みで、賃上げ闘争をおこなった。この闘争をテレビで見て、公務員と民間との温度差を感ぜずにはおれない。

景気が悪くなっても公務員の給料は下がらない、これは問題ない。しかし、母体となる国や都道府県の財政が傾いているのであれば、公務員の給料に下げ圧力がかかるのは当然ではないだろうか?

(景気対策)
景気回復になりふり構わぬ政府は、莫大な公共投資を景気対策の主軸としている。
が、しかし、対GNP比で欧米の2倍とも4倍ともいわれる公共投資には、合理性を指摘する声は後を絶たない。また。政府の行政改革には、「癒着の構造」を正そうとする具体的なプランもない。構造不況が招いたとも言われる不況を、「癒着の構造」の代表選手である「公共投資」 で立て直そうとする様は、笑い話にもならないのだ。

(住宅施策)
「住宅を景気対策に多用し過ぎる」との指摘は昔からある。現在の景気対策も、時限付き住宅減税措置で消費を拡大しようとしている。しかし、老後の計算ができるのは、もはや公務員くらいしかいない。住宅市場を刺激するのなら、公務員庁舎をなくして、公務員の住宅購入へのモチベーションを動かすべきではないだろうか。

政府は公共投資を続け、国の借金を増やしながら土建業者、ITSインフラ関連業者などを潤わせるのだろう。そして、こうした公共事業によって底上げされた経済指数を見て、「景気は底をついた」「緩やかな回復傾向が感じられる」などと繰り返し続けるに違いない。

「景気は回復してきた」といった政府発表にダマされながら、役人バブルの時代に突入していくのだ。そうして庶民は、「命の次に大事なオラが車」という貧しい文化に収束させられるのだろう。