2001/11/19更新

公開される事故データの考察

まずは、警察丁の統計と国土交通省の統計のペースが異なることを理解しておこう。

自動車の分類:
道路交通法と道路運送車両法というふたつの法が、それぞれ別の分類方法を定めている。

交通事故統計はこのふたつの分類方法が車種別の統計を分かりにくくしている。

以下、(財)事故調査分析センターと警察庁のサイトより、車種毎の相関について分類された資料を以下に抜粋した。
赤文字は原文のまま、色だけを筆者が変更した。

■警察庁

交通事故発生状況

第1当事者別・道路形状別・死亡事故発生件数

自家用普通貨物はあるが、業務用車両及び大型貨物は統計されない

第1当事者別・道路形状別・死亡事故発生件数(詳細)

第1当事者別・道路形状別・死亡事故発生件数(詳細) 2000年6月10日現在の表より作成
   乗用車  貨物車  特殊車  自二  原付  自転車  その他  歩行者  不明  合計 
大型 普通 大型 普通
死者数 10 1,409 169 655 7 132 145 91 0 102 21 2,741
※乗用車及び大型車は事業用と貨物用に分けられていたものを合算して書き直してあります

貨物車合計824人は乗用車合計1419人の58%となる




■財団法人事故調査分析センター  イタルダインフォメーションより

No. 4 1995 May  分析!歩行者事故

加害車両を分析したものではない

No.10 1996 Autumn   交通事故と運転者と自動車とは、どんな関係にあるのか?

車種別死者数及び死傷者数の構成率

平成6年の自動車乗車中の車種別死者数及び死傷者数の構成率を図1に示す。死者数では普通乗用車の比率が59.2%で一番高く、ついで軽貨物車が19.2%、普通貨物車が10.3%、軽乗用車が7.1%の順である。また、死傷者数でも普通乗用車の比率が66.9%で一番高く、ついで軽貨物車が13.7%、軽乗用車が9.3%、普通貨物車が8.4%の順である。

乗用車について更に詳細に分析されるが貨物車は分析されない。

No.14 1997 Autumn  交通事故と運転者と自動車とは、どんな関係にあるのか?<シリーズ第2回>

No.10をセダンA,B,C、スペシャリティ、ファミリー軽、ワゴン、1BOX、RVと詳細に分析。貨物車は分析されない

No.20 1999      交通事故と運転者と車両の相関<シリーズ第3回>

死亡事故時の衝突相手車両は、 「普通貨物車」・「小型乗用車」 の比率が高いことがわかります。

研究報告書

交通事故の事故類型別分析結果(平成5年度) 平成6年9月発行 

1.人対車両に関する分析

⑤相手の車両については、全人身事故では乗用車が58.5%、貨物車が26.2%、自動二輪が4.4%、原付が9.2%となっており、死亡事故では乗用車が57.2%・貨物車が34.0%・自動二輪が4.6%・原付は1.4%となっている

3.車両相互事故に関する分布

(1)正面衝突事故

④当事者相関死亡別事故率   普通乗用車(1当)×大型貨物車(2当)は、死亡事故件数が多く、死亡事故率も7.46と高い。一方、普通乗用車(1当)×普通乗用車(2当)は、死亡事故件数が多いが死亡事故率は0.51と低い。全般的に大型貨物車及び普通貨物車と正面衝突した場合の死亡事故率が高くなっている

交通事故と運転者と車両の相関についての分析結果(平成7年度) 平成8年3月発行 

車両が関与した事故には、「車両の乗員が死亡または負傷するケース」と「衝突した相手(相手車両の乗員及び歩行者)が死亡または負傷するケース」があるが、ここでは自動車及び二輪車の「車両の乗員が死亡または負傷するケースに着目して分析を行った。

交通事故と運転者と車両の相関についての分析結果 平成9年3月発行 

乗用車のクラス別分析  乗用車1万台当たりの乗員死亡事故台数でみると、車両単独事故のスポーツ&スペシャリティが突出しており、セダンCも多い。  死亡事故の飲酒有無についてみると、セダンCが30.8%に飲酒ありと最も多く、ワゴンがこれに続き、ファミリー軽が最も少ないとまとめている。

交通事故と運転者と車両の相関についての分析結果 平成10年3月発行 

平成9年より対象数をさらに拡大(31→151)して分析を行い、(大型車を除く)自動車及び二輪車の「車両の乗員が死亡又は負傷するケース」に注目して、その結果をまとめている。

交通事故と運転者と車両の相関についての分析結果 平成11年3月発行 

細かく分けた乗用車を更に細かくひたすら分析する