以下の発言は黒木昭雄氏のサイト現場警察官への応援歌『新・警察ご意見板』への投稿として
今井亮一氏が裁判所に提出したものを元の形式に再現したものです。


投稿時間:00/08/16(Wed)18:01
投稿者名:今井亮一
Eメール:r-chang@fb3.so-net.ne.jp
URL :http://www.geocithies.co.jp/MotorCity.1103/
タイトル:運転者と警察官の関係

 根拠不可解ないし事実に反する根拠をもとにした否定的な決めつけ・曲解、そんなものにもうなづいてしまう人が
いるらしいことに、驚きを感じました。
 私の著作についてあれこれ言うなら、たのんますから、私の著作を読んでくださいよ。『ここが知りたい交通違
反・裁判まるわかり』(小学館文庫。税込み580円)が最新刊で、これがいちばんわかりやすいかと思います。
読んでいただければ、initial_Pさんのような曲解がどうして出来るのか、「あっれ〜!」となるはずですよ。
 まあ、買えと言うのもナンですんで、せめて、
http:〃www.geocities.coJpIMotorCity/1103/
 の「THE"IMAI"LIBRARY」にある私の作品(雑誌記事〉をいくつかお読みいただければと思います。

 ま、それはともかく、運転者と警察官との関係というのは、警察を考えるに当たってひとつ大事な観点だろうとの
思いから、新しいツリーとして書き込むことにします。
 とりあえず、initial_P(念のため言っておくと、もと野村一也)さんの「体重を乗せて右ストレート〜本来の目的
(大義名分)と‘効果の乖離〜」というタイトルの書き込みの、次の部分へのコメントから始めましょうか。

>ビッグコミックスピリッツ連載中の『被告人、前へ』は、マンガの原作とい
>う今井氏の長年の夢と、交通違反で培ったキャリアの集大成なのではないかと
>思います。
>そのマンガのイントロダクションとして"自動速度取締器の誤測定"という
>現在では皆無に等しい事例を持ちだして、警察の悪い面だけを露骨に強調し、

 なぬっ!? 私が得ている情報では、自速機の誤測定はあるよう……てゆ一か、「現在では皆無に等し」くなったと
言える要素はそれこそ皆無です。
 initial_P(もと野村一也)さんは、いったいナニを根拠に、「現在では皆無に等しい」と言うんですか? 「現在
では皆無に等しい」と言うからには、「過去にはわりとあった」という認識のようですが、それはナニを根拠にして
るんですか?
 根拠のない(私としては事実に反してると思う)ことをもとに、「警察の悪い面だけを露骨に強調」なんて妙なこ
と言われても困りますよ。

 なお、私が自速機に誤測定はあると見なしていることの理由の一部が、上記「TEE"IMAI"LBRARY」の「法廷
証言から露呈したオービスVの矛盾と不可解」という記事にあります。

 このBBSの「裏ガネの構造:組織と個人」というタイトルのツリーのなかで私はinitial_Pさんに対し、いったい
ナニを根拠にそんなこと決めつけるのかと、何度も言いましたよね。ところがinitial_Pさんは、揚げ足取りだとか、
尼仕合になるとか、引用符合の応酬はくだらないとかナンとか言って逃れ、「体重を乗せて右ストレート」だとくる
っけです。
 なんかもうヤンなっちゃいますけど、このあとは運転者と警察との関係、に関わってきますから続けましょう。

   **********

>悪質なドライバーが応用できる知識を与えようとしている事実は、

 なるほど。initial_Pさんは、「ゲリラ戦をアオる」とか「違反をチャラにする情報」とか「取締りの警察官に対す
る武器」とか盛んに言いますね。
 私としては首をひねるばかりなので、具体的にどこがそれに当たるんだと何度もお尋ねしてるんですが、現在のと
ころお答えがないですね。

 根拠のない決めつけは漢然とせざるを得ない、ということか? とも思えるんですが、まあ、私の著作のなかで
「知識」といえるもの、つまり、「クルマの構造はこうなってて、ここがたまにこうなるよ」といった「知識」に相
当するものといえば、違反処理手続き、すなわち「反則金はどういう性質のカネか」「払わないとどうなるか」とい
った、前出のHPにあるFAQ「だいたいの流れ」にあるような情報になるんでしょうかね。
 そしてそこが「悪質なドライバーが応用できる知識」「違反をチャラにする情報」「取締りの警察官に対する武器」
であるという論に、うなづいてしまう人がいるんでしょうか。

 しかし、そりゃ、トンでもない誤りですよ。
 だって、考えてもみてください。反則金がどんな性質のカネか、払わないとどうなるのか、そんなことは、運転者
として(国民として)当然に知ってていいことじゃないですか。いままで(事実上)隠されていたこと自体がおかし
いわけでしょ。
 隠されていたから、捕まったらオシマイと思い込んでカネだけ払い、あとで警察をグズグズ恨むとか、ナンとかズ
ルく逃げようとしょーもないことを言ったりしたり、ってことが起こってくるんじゃないですか?
 私の出発点となった最初の本『交通取締りに「NOjと言える本』(恒友出版。1990年12月初版)は、高山
俊吉弁護士の次の言葉に強く共感したことがきっかけとなっています。

「納得できない取り締まりに対し、運転者はいったいどうすればいいのか、まったく知らされていない。運転者は泣
き寝入りせざるを得ず、そのため不服や憎しみがうず巻き、警察官との間に無用な衝突が生まれている。本当はどう
すればいいのか、ハンドルを握るときの基礎知識として緊急に必要だろう」

 この言葉は、私の出発点なので、『ここが知りたい交通違反・裁判まるわかり』の前書きにも書いてます。

 で、取り締まりに対する不服は、正当と思えるもの、そりゃアンタのワガママでしょと思えるもの、ナンとも判別
し難いもの、いろいろあります。
 私は、すべての人に「知識」を持ってもらいたいと思います。当然、「そりゃアンタのワガママでしょ」という不
服の人にも、です。

 その理由は、私の著作のいろんなところでもうさんざん書いてきたことですが、「この不服を、こういう手続きの
なかで堂々と言えるんだろうか、オレは」と考えてもらいたいからです。
 仲間内で「警察は汚えよなあ」とグチる範囲で言える不服……。最終的には裁判の法廷に被告人として立たされる
かもしれない手続きのなかで言おうとする不服……。これらはぜんぜん違うでしょ。統計からはほとんど100%不
起訴となるだろうケースでも、問違いなく不起訴ではないんです。
 そこんとこをしっかり考え、以後の運転に結びつけてもらいたいと、私は思うのです。
 そういう趣旨のことを、なんとかわかってもらえるよう、表現を変えたりして私はさんざん書いてます。寺澤有さ
んからは、「くどい。また今井ブシか。事実だけ提示すればいいんだ」てなことを前から言われてますが、懲りない
ようですねどーも(笑)。
  ※「さんざん」とは、言うまでもないことですが、
   私が書いたすべての記事やご相談等のレスに、ということではないですよ。

 initial_Pさんは、こういうことを言いたいんでしょうか。
 すなわち、「ナンとかチャラにしよう。警察に逆らってやろう。ひひひ」というタイプの人が、私が書いた「知
識」を又聞きで歪んだ形で仕入れ、あるいは、自分に都合よさそうなところだけ拾い読みして、「武器」とする、と
いうことを。

 私自身が体験し、また全国の多くの運転者の方から聞いてきたところによると、そんなしょーもない「武器」は通
用しないと思いますよ。
 警察官、検察官は、そういうバカを見破るプロといえます。つーか、最初からそういうバカと見なしてかかってく
る警察官、検察官もいるような感じですもん。
 私としては、姑息な付け焼き刃の「武器」で「チャラにしよう。警察に逆らってやろう」という人は、実際に痛い
目にあうほうがいいんじゃないかと思うんですが、しかし黙って傍観してるのも不誠実なので、「たちまち見破られ
るよ」「見透かされるよ」「そんなの通用しないと思うよ」と、さんざん言っているところです。それが、initiaLPが
言う「濫用を防ぐための配慮」に当たるでしょうか。

 でも、自分に都合よさそうなところだけ拾い読みして「濫用」するタイプの人は、そんな部分には目もくれないん
でしょうけどね、まさにinitial_Pさんのように。

 もちろん、その「濫用」が通用してしまう場合もあるでしょう。
 違反処理システムは、私が見るところ、ほぼ全員がな〜んにも考えずとっととカネを払ってしまうことを前提に成
り立ってるようです(莫大な利権を背景として)。
 したがって、ウソと見破られながら「たかが1件の処理に手間をかけるのはメンドウだから」といった事情で、悪
質なヤツがチャラになってしまうこともあるでしょう。

 しかし、それはまさに当局の問題、当局の怠慢であって、そんなことを理由に、上記理由を退けて、事実ある(法
律に定められている)手続きのこと、私が全国の方々からいただいている情報を、隠しておくことはできません。

>交通違反で取締られたドライバーが多く集まるHPで今井氏が「闘え!」と
>促し、呼応して闘うドライバーには自分自身の違反事実をチャラにすると
>いう‘個人の利益’が付随します。
>つまり今井氏の掲げる大義名分とは裏腹に、パチンコ攻略情報と同じよう
>に‘個人の利益’(交通違反をチャラにする)のためだけに利用するドラ
>イバーも少なくない(その方が多い?)はずです。

 initial_Pさんはどうも警察と戦争≠オたいのか、「ゲリラ戦」だの「呼応して闘う」だのいう専門用語(?)がよく
出てきますが、お願いですから私をいっしょにしないでくださいよ。

 それとですね、「パチンコ攻略情報と同じように‘個人の利益’」って、initiaLPさんご自身は、カネの損得に目を
奪われるタイプなのかもしれませんが、ご自分を基準に他の運転者の内心を推し量るのは、如何なものかと思いま
す。
 私、全国の多くの運転者のみなさんの声を聞いていますが、不服を主張するに当たって、カネをチャラにしたいと
いう要素を少しでも臭わせる人は、記憶する限り皆無ですね。
 だって、反則金は、たいがい1万円前後なんですよ。そんな僅かな「個人の利益」のために、警察や検察庁から何
度も呼ばれ、最終的には裁判の法廷に立つかもしれないことを覚悟する人は、ま〜ずいませんよ。
 もちろん、若いころの私のように千円が大金の人もいるでしょうが、それでも、パチンコで稼ぐのと同じような感
覚では、やれませんよ。つーか、やれないのが普通ですよ。
 また、何万円ものカネがかかるケースもありますが、それは違反容疑が重いわけで、起訴(公判請求)される可能
性は高まります。起訴されれば、まずまちがいなく有罪とされるわけで、カネは助かりません。
 損得で勘定する人は、手問や心労についての見通しに耐えられず、メンドウになって、とっととカネ(反則金また
は略式による罰金)を払うほうがトクだと結論する、それが普通ですよ、私が16年問、交通違反についてのご相談
等をいただいてきた限りでは。
 つーか、ただチャラにしたいだけの人は、どこで聞きかじってきたのか、「サインしなきゃチャラだ」とか「腹が
痛かったと言えばいい」とか思い込んでゴネ、「あれ〜、ハナシが違うじゃないかあ!」となるようですね。

 それでも「いや、オレはとことんヤル」となる人の多くは、やっぱ、意地とか良心とか、自分にウソはっきたくな
いとか、そういった気持ちが動機のようですね。
 この気持ちが、カネより、いや、勝った負けたよりずっと大事だと私は思い、また機会あるたびにそう言っている
ところです。

ああ、長くなってしまった〜。みなさん、ごめんなさい。


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★ - 運転者と警察官の関係 - 今井亮一 00/08/16(Wed)18:01No.300