このコンテンツは2002年4〜8月頃に作成したものがベースとなっています

厳罰化のスパイラル〜序章〜

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法律万能を信じる人々/損得勘定が容易な現実

酒気帯び運転の取締りのほとんどは、 交通安全運動期間中に行われる主要幹線道路上での検問によるものである。 こうした取締りに飲酒運転の常習者が捕まることはありません。

また高速道路内では、警察は基本的に飲酒検問をしません。 飲酒トラックの追突により二人が死亡した事故のときも、警察はパーキングエリア等での検問に消極的な姿勢を明らかにしています。

さらに深夜0時も過ぎれば、警察は一切の交通取締りをしなくなります。 したがって、夜間の秩序は、法律ではなく、それぞれのモラルによって形成されています。

ついでに書けば、 速度超過の取締りは、天気の良い週末に好んで行われており、 これにもプロのトラックドライバーが捕まることはありません。

したがって、 いくら規制を強化しても、取締る警察がキップの数を優先したり、 または各種交通安全キャンペーンでの集中取締りを続けるのなら、 損得勘定を行う確信犯への効果はほとんどないといってよいだろう。

 なお、交通安全週間は大々的に広報されます。 これは警察の活躍をアピールするためには有効です。しかし、損得勘定を行う確信犯に対しては、 「交通安全運動の間だけは自重しろ」といっているようなものです。

交通安全運動に効果はあるか?

だからといって、「飲んだら乗るな」という金科玉条に対抗することはできません。が、しかし、警察が事故防止に効果的な取締り(法の執行)をしているようにはとても見えない。

高速道路での悲劇/警察の大活躍(2002年8月)

8月10日未明、鈴鹿の東名阪道
居眠り運転の大型トレーラーが、帰省や行楽で渋滞中の車列に突っ込み、
前にいた6台が次々と玉突き事故を起こし4台が炎上。
幼児を含む5人が死亡、6人が重軽傷。−ZAKZAK

同じく8月10日未明の北海道
北海道警は、お盆前の9日深夜から10日未明にかけて飲酒運転一斉取り締まりを行った。
現行犯逮捕者1人を含む101人を摘発。従来値の違反者は42人、新設値の違反者は59人。
つまり酒気帯び基準の引き下げは、警察が摘発できる違反者の数を2倍以上にしたのである。

 盆と正月に帰省することを、年間を通じて最大の楽しみとする日本では、
 しばらくぶりに帰ってきた家族に、当然のように酒を勧めるはずだ。

 検挙されたなかには「もう十分覚めたから大丈夫」と思って、
 ハンドルを握った人もいたに違いない。

 どの程度の飲酒で、どれだけ時間が経過すれば、
 呼気中アルコール濃度が0.15ml/l以下になるか?なんか知っているわけがない。

 そんなことにお構いなく、
 「アルコールが残っているからダメッ」と次々にキップを切る警察官。

摘発された101人のうち、新たに設定された0.15〜0.25mg/lは59人に課されるの罰は、
懲役1年または30万円以下の罰金。それと6点の減点。
免停で職を失わなければよいが…。

ちなみに中央への依存度の高い北海道は、不況の影響をまともに受けている。
今、首都圏で感じる不況は、北海道では3年くらい前の状況だろう。
その時期その場所に場所に住んでいた筆者の主観的意見です。

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