私物化する裏技

駐車場整備の全体像

公有財産を私物化してカネを稼ぐ方法について、これから天下って蓄財したいお役人諸君にお伝えしよう。くれぐれも週間ポストのようなウラ窓ジャーナリズムに垂れ込んだり、2ちゃんねるなどのような場所で軽率に言及しないようにしてほしい。

駐車場法では、路外駐車場と路上駐車場は並列関係にある。しかしながら、路上駐車場は、道路交通法を根拠に警察がパーキング・メーターとパーキング・チケットビジネスを実施している。棲み分けの問題から路上駐車場の整備は得策ではありません。そこで、路外駐車場だけを設置させるようにすればよいのである。

国交省が監修のもとで、国交省の外郭団体である(財)駐車場整備推進機構(JPO)が編纂した地方の道路役人のバイブル「駐車場法解説」を抜粋する。

道路交通上の観点からは、あくまで路上駐車場は道路の走行車線上に設けられるものであり、必要性を勘案して限定的に設置を許容されるべきものであることから、路外駐車場によって満たされない駐車需要に応ずるための暫定的なものであるという位置付けにあるため、その設置により道路交通上支障を生じないことを担保する必要から、路上駐車場の配置及び規模の基準が定められている。(施行令第2条)

つまり、施行令第2条が、路上駐車場が「限定的・暫定的」であることが示されているかのような解説してしまうのである。

そうすることによって、施行令第2条はおろか、施行令全体をみても「(路上駐車場が)限定的・暫定的」であることを示す文言は存在しないにもかかわらず、路外駐車場だけを整備させることができるのである。

かくして、各都市が策定する駐車場整備計画に、路上駐車場が盛り込まれることはなくし、路外駐車場ばかりが整備させることが可能になるのである。

「国有財産に公費でつくった駐車場は、とうぜん公有財産となるはず」

バカな納税者とドライバーはそんなふうに思っています。そこで、道路法第20条に例外規定をもうけました。

要約すると、「道路や、駅前広場、その他公共の用に供する工作物又は施設とが相互に効用を兼ねる場合においては、当該道路の道路管理者及び他の工作物の管理者は、当該道路及び他の工作物の管理については、協議して別にその管理の方法を定めることができる。」

この条文によって、地下駐車場が公有財産ではなく、「兼用工作物」という特殊なハコモノとなり得るのです。そしてJPOは、電気設備を入れることによって、「他の工作物の管理者」としての地位を確立したのである。つまり、電気設備以外は全部タダで、あとは丸儲けとなるのです。

で、どのくらい儲かるか

JPOは、路外駐車場の整備を推し進める解説をするだけでなく、路外駐車場を直営しています。その数は全国14ヶ所で、いずれもそれぞれの都市の一等地を走る国道の地下を掘ってつくられた地下駐車場だ。

その建設から運営にいたるまでの流れはというと、まず、各地の地方整備局(国土交通省の実働部署)が地下を掘って、スペースを作る工事を行います。スペースができたら、JPOが電気設備などの工事をします。こうしてできた地下駐車場は、道路法第20条の定める「兼用工作物」と称することができます。そして、その地下駐車場をJPOが運営し、もうかった分は、JPOのものとすることができるわけです。

地下を掘る費用は、道路整備特別会計(道路特会)で賄わうことが可能です。ご存知のとおり、道路特会の主な財源は、ドライバーが給油のたびに支払うガソリン税などだ。つまり、公有財産である道路の下を、ドライバーの負担した税で駐車場を建設し、駐車場利用者の支払った料金は、すべて国交省の外郭団体であるJPOのすることができるのである。

つまりは、都市の一等地に、ドライバーが払った税金で建設したスペースをタダで借り、儲けた分は全部外郭団体のものにすることが可能になるのである。

 

で、いったいどれくらい儲かるかというと、広報上、平成16年度が約1,708千台、料金収入は約10億69百万円。平成17年度の決算資料では、料金収入は約10億9600百万円とされています。これは、1台分のスペースあたり月2万8820円の収益を上げていることになる。駐車場ごとの料金収入は、公表していない。あまり細かく発表すると、納税者やユーザーがやっかむからだ。

ゆたかな天下り生活をもくろむお役所のみなさんのために、札幌の北一条駐車場を例にあげる。

平成16年度の実績で、利用が51万8000台時間とのことなので、これに時間単価480円をかけると、約2億5千万円となる。収容台数が163台なので、1台分のスペースが年間で150万、月あたりで12万7千円の売上げをあげている。

ここで賢いお役所のみなさんはお気づきになると思います。JPOの発表する数字、月あたりに1台分のスペースが2万8820円というオモテ向きに発表した料金収入と比較すると、札幌の売り上げのほうがずっと高くなっています。ほかの駐車場の条件が悪いからオモテ向きに発表した平均値が低くなっているかとういうと、そうではありません。まず、JPOの運営する駐車場は、どれも各都市の一等地にあります。赤坂公共駐車場は、赤坂見附駅のすぐそば。大阪の桜橋駐車場は、北新地駅に隣接しています。静岡のエキパと高知のはりまや地下駐車場は、JRの駅のど真ん前。それから、青森の長島地下駐車場、福島の平和通り地下駐車場、広島のシャレオ駐車場、愛媛の松山市役所前地下駐車場は、どれも県庁が目と鼻の先だ。これら〝超〟一等地にあるこれらの駐車場を含めて、1台分の月平均が2万8820円だけと発表しても、誰も文句は言いません。では、その差分がどこに消えるかというと、それはご想像のとおりです。

路外駐車場のススメ

残念なことに、超優良の天下り先であったJPOは、社会的な批判にさらされ解散することが決定しています。しかしながら、組織などはいくらでも再編できるので、同様の事業は継続することが可能です。さらにJPOと同じように駐車場事業はとてもお金になるので、みなさんも路外駐車場でばんばん儲けてください。